『行動分析学研究』掲載論文抄録 Vol. 15


養護学校高等部生徒の他生徒への攻撃行動に対する 機能的アセスメントに基づく指導: Positive Behavioral SupportにおけるContextual Fitの観点から

西南女学院大学 平澤紀子
 上越教育大学 藤原義博

 研究の目的 養護学校高等部生徒の他生徒への攻撃行動に対する機能的アセ スメントに基づく指導をpositive behavioral supportをcontextual fitの観 点から、(1)仲間に向けた攻撃行動に対するO'Neill et al.の機能的アセス メントに基づく支援計画の立案様式を検討し、(2)学級担任が現在の学校体 制に適合させる過程を明示した。研究計画 形成評価と事前・事後評価を用い た。場面 養護学校高等部において攻撃行動が頻繁に生起する登校場面と昼休 み場面と生起しない学級場面で実施した。対象 攻撃行動を起こす高等部1年 の男子生徒1名と攻撃の相手となる生徒及び学級の生徒を対象とした。全般的 手続き攻撃行動の生起を防止しながら、学校体制のアセスメントから学級担任 の実行可能な条件を明確化し、それに基づいて、機能的アセスメント、指導計 画の立案、指導手続きを決定した。指導手続きは、学級場面では、対象生徒と 学級の生徒に対して機能的アセスメントで選定された適切なかかわりや活動ス キルを形成する一方で、登校・昼休み場面では、これらの標的行動を対象生徒 と相手の生徒の双方に指導した。行動の指標 登校・昼休み場面における対象 生徒の攻撃行動、適切なかかわり、相手の生徒との接触、対象生徒と相手の生 徒とのかかわりのパターンを測定した。結果 対象生徒の攻撃行動は低減し、 相手の生徒との適切なかかわりのパターンが増加した。結論 仲間に向けた攻 撃行動には、機能的アセスメントに生徒同士のかかわりの分析を加え、 O'Neill et al.の様式を修正することは有効であった。また、高等部体制に おいて、学級担任が行う機能的アセスメントやそれに基づく指導の実行過程が 明示された。

Key words 養護学校高等部生徒、攻撃行動、positive behavioral support、 機能的アセスメント、かかわりの分析、contextual fit

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ヒトの系列反応の変動性に及ぼす強化随伴性の効果 駒澤大学 山岸直基

 研究の目的 4反応系列と2反応系列を使用し系列反応の変動性に対する直前 のN試行と異なる系列反応を分化強化する手続きと系列反応の長さの効果を検 討することである。実験計画 分化強化条件とヨークト条件の間で強化率を一 定にした被験者間ヨークトデザインを使用した。場面 被験者は実験室内でコ ンピュータマウス上の2つのボタンを使用した。被験者 大学生28名(男性15 名、女性13名)。独立変数 直前のN試行に生起した反応と異なった反応が出 現したときにポイントを提示するという手続きおよび系列反応の長さを独立変 数とした。4反応系列の実験ではNは順に、1、2、3、5、7、11、15、7、1と変 化し、2反応系列の実験では1、2、3、2、1と変化した。行動の指標 反応変動 性の指標として全系列反応の相対頻度(U値)と周期性(反応の出現周期)の2 つを測定した。結果 等確率性はヨークト条件よりも分化強化条件において高 かった。周期性については、4反応系列の場合、Nが15に近づくにつれ周期性の ない反応をする被験者が増加した。結論 直前のN試行と異なる系列反応を強 化する手続きにより、また反応系列が長くなることにより反応変動性が増加す ることが示された。

Keywords 反応変動性、分化強化、等確率性、周期性、系列反応、ヒト

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